新型車両「3100形」の製造工程

“日常生活に欠かせない
交通手段である『電車』”

今回はそんな当たり前の生活を支えている車両ができるまでの工程を
たどっていきましょう

STEP01

部材加工

 3100形で使われている素材は、一般的な通勤型車両に使用されている「ステンレス鋼」で出来ており、錆びにくいため強度上必要な板厚まで薄くできる特徴があります。
 まず、車両の元となる部品が加工されていきます。
 部品はNC(数値制御)工作機械によって自動的に切断し、その部材をプレス機により家でいう柱や梁といった主構造部材に加工されていきます。
 完成した部材同士を組み上げ、そこに車両の最外面となる板を大型の自動溶接機で溶接されていき、構体(パーツ)が出来上がります。構体は大きく分けて、①台枠(床になる部分)②側構体(乗降扉などが取り付く車両の「側面」の部分)③先頭構体(車両の運転台の部分)④妻構体(連結部分)⑤屋根構体 の5つに分かれます。

台枠
台枠
側構体
側構体
先頭構体
先頭構体
妻構体
妻構体
屋根構体
屋根構体
STEP02

構体組立

 出来上がった構体を溶接していきます。まず先頭構体が巨大なクレーンで運ばれ、台枠に溶接された後、側構体・妻構体・屋根構体が取り付けられます。
 取り付け作業の多くは手作業で行われ、細かな歪み等は熟練の職人がバーナーで熱した後、水で冷やしたり、ハンマーで叩いて修正していきます。そのため、工場内には迫力のある音が響きます。

STEP03

艤装

 窓やドアが取り付けられた車両の内部に、列車を運行するうえで必要不可欠な電気を運ぶための配線や空気配管などの部品が取り付けられます。3100形では1編成に約8,500本の配線が通っており、重さにして約4,800kgにもなります。
 さらに、ブレーキ装置などの床下機器が取り付けられていきます。

STEP04

内装取付

 車両の座席やつり革、仕切りなどの内装が取り付けられていきます。3100形では当社初となる一部折り畳み式の座席を採用しています。

STEP05

台車取付・完成

 車両の外面に3100形の特徴であるオレンジ色のラインや空港アクセスのシンボルである飛行機と沿線各所のイメージイラストのフィルムが貼られます。また、一つの車両に2つの台車が取り付けられ、車両が完成します。完成した車両は様々な測定装置を駆使し、厳しい品質チェックを行った後、宗吾車両基地へ輸送されます。